ビジネスで使えるFAX送付状の挨拶文例集
ビジネスでFAXを送信する際は、表紙にあたるFAX送付状に挨拶文を添えるのが一般的なマナーです。メールや手紙と同様に簡潔な挨拶を入れることで、相手に丁寧な印象を与えられます。
本記事では、汎用的に使える挨拶文の例(フォーマル・カジュアル・丁寧だが堅すぎない)と、春夏秋冬それぞれの季節に応じた挨拶文例を紹介します。状況に応じて適切な表現を選び、FAX送付状をより印象の良いものにしましょう。
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いつでも使える挨拶文例
まずは季節を問わず使える汎用的な挨拶文例を、目的や関係性に応じた3つのトーン(フォーマル、丁寧だが堅すぎない、カジュアル)で紹介します。

🏢フォーマルな挨拶文例
社外の取引先などに送る正式なFAX送付状では、手紙と同様に「拝啓」で始めて「敬具」で締める丁寧な挨拶文を用いると良いでしょう。例えば、以下のような定型的な文面が挨拶文として使えます。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。早速ではございますが、FAXにて下記の書類を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
敬具
上記のような文例では、「時下(じか)」という時候の表現を用いて相手の繁栄を喜ぶ一文から始めています。続けて本文(用件の通知)に入り、最後は「敬具」で結ぶのがフォーマルなスタイルです。
👔丁寧だが堅すぎない挨拶文例
より一般的なビジネスシーンでは、冒頭で「いつもお世話になっております。」と述べる挨拶がよく使われます。頭語・結語を省略しつつ丁寧さを保ったスタイルで、初めてではない取引先や社内の相手に幅広く用いることができます。例えば以下のような挨拶文です。
いつもお世話になっております。下記の書類を送付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
この例では定型挨拶の「お世話になっております」に続けて、送付書類を確認してもらう依頼(ご査収ください)を丁寧に述べています。メール本文の書き出しと同様の感覚で使えるため、汎用性の高い表現と言えるでしょう。
😊カジュアルな挨拶文例
社内宛てや親しい取引先へのFAX送付状であれば、ビジネスチャットやメールに近い略式の挨拶でも問題ありません。例えば社内連絡のような場合、次のようなシンプルな挨拶文が使えます。
お疲れ様です。下記の書類を送付しますので、ご確認ください。
このように「お疲れ様です」といったくだけた挨拶ではじめ、要件を簡潔に伝える方法です。注意: 役所やフォーマルな場に送るFAXではあまりに簡素すぎる表現は避け、必要に応じてもう少し丁寧な言い回しに調整しましょう。
その他、いつでも使える汎用あいさつ文
- いつも大変お世話になっております。
- 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 日頃より格別のお引き立てを賜り、心より感謝申し上げます。
- 拝啓 時下ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 毎々格別のお力添えをいただき、深く御礼申し上げます。
- いつも迅速なご対応を賜り、誠にありがとうございます。
- 日頃より弊社業務にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 貴社におかれましては益々ご隆盛のことと拝察いたします。
- 平素は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
春・夏・秋・冬の季節の挨拶文例
ビジネス文書では季節に触れた時候の挨拶を冒頭に入れることがあります。FAX送付状では必須ではありませんが、丁寧な手紙文や初対面の相手への送付時など、状況によっては季節の挨拶を添えるとより心のこもった印象になります。
ここでは春・夏・秋・冬それぞれの季節ごとの挨拶文例を紹介します(※実際にFAX送付状に記載する際は、拝啓や敬具を適宜付けるか省略するか、前述の汎用例にならって調整してください)。

🌸春の挨拶文例
春は年度始めであり、桜の開花や穏やかな陽気に触れた表現がよく用いられます。
場面 | 挨拶文 | 説明 |
---|---|---|
フォーマル | 春分の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 | 春分の時期に送る正式な挨拶。相手企業の益々の健勝を喜ぶ定型表現です。 |
カジュアル | 桜の花が咲き誇る時期となりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 | 桜の季節に触れつつ、相手の様子を問う柔らかい表現です。 |
🌊夏の挨拶文例
夏は暑中見舞いの言葉などもありますが、ビジネス文書では猛暑をいたわる表現や盛夏の季語を用いることが一般的です。
場面 | 挨拶文 | 説明 |
---|---|---|
フォーマル | 拝啓 盛夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 | 盛夏=真夏の時期の定型挨拶。相手企業の繁栄を喜ぶ丁寧な書き出しです。 |
カジュアル | 厳しい暑さの続く今日この頃ではございますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。 | 連日の暑さを案じつつ相手を気遣う表現。親しい相手に対して季節の安否を尋ねる文章です。 |
🍂秋の挨拶文例
秋は紅葉や秋晴れなど季節感のある言葉が豊富です。ビジネス挨拶では秋の深まりを表す漢語調の語や、爽やかな気候に触れる表現がよく使われます。
場面 | 挨拶文 | 説明 |
---|---|---|
フォーマル | 拝啓 紅葉の候、貴社益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。 | 紅葉の美しい時期に送る改まった挨拶。隆昌(りゅうしょう)は繁栄と同義で、相手の隆盛を祝う表現です。 |
カジュアル | さわやかな秋晴れの続く今日この頃、貴社におかれましては一段とご隆盛のこととお喜び申し上げます。 | 秋晴れが続く時期に相手の発展を喜ぶ挨拶例。口語調ですが若干改まった表現で、親しい取引先へのメール/FAXにも使えます。 |
⛄冬の挨拶文例
冬は一年の締めくくりや新年の挨拶を兼ねる場合もあります。厳しい寒さをいたわる表現や新年を寿ぐ表現が用いられます。
場面 | 挨拶文 | 説明 |
---|---|---|
フォーマル | 拝啓 厳寒の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 | 最も寒い時季に送る丁寧な挨拶。厳寒の候は冬本番の季語、「ご清栄」は相手企業の無事と繁栄を意味します。 |
カジュアル | 厳しい寒さが続いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。 | 厳冬の時期に相手の体調を気遣う挨拶例。社内向けや日頃やり取りのある相手に対し、安否を問い掛ける表現です。 |
その他、季節のあいさつ文
- 新春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
- 早春のみぎり、皆様にはご健勝にてお過ごしのことと存じます。
- 桜花爛漫の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 若葉薫る季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 盛夏の候、貴社いよいよご清栄の段、大慶に存じます。
- 初秋のみぎり、皆様におかれましては一層ご健勝のこととお慶び申し上げます。
- 秋冷の候、貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
- 霜寒の折、皆様にはお変わりなくご活躍のことと拝察いたします。
- )年の瀬を迎え、貴社には本年も格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
まとめ
以上の例文を参考に、FAX送付状の挨拶文は送り先や状況に合わせて使い分けましょう。フォーマル・カジュアルの度合いを調整しつつ、相手に失礼のない丁寧な通信となるよう心がけることが大切です。
適切な挨拶文を添えることで、FAXでのやり取りでも好印象を与え、スムーズなビジネスコミュニケーションに役立ててください。
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