退職時の誓約書は、 秘密保持や会社資料の返却など、退職後も守ってほしい事項を確認するための書類 です。本ページでは、基本型のほか、機密保持・競業避止・知的財産・顧客情報保護など、用途別の退職時誓約書テンプレートを無料で配布しています。
基本型から用途別まで、退職時に使える誓約書を選べます。
機密保持・競業避止・顧客情報・知的財産など目的別に用意しています。
記入例や条項の確認ポイント、作成時の注意点まで解説しています。
テンプレート一覧
シンプル・基本型
秘密保持、貸与物の返却、競業避止、知的財産、退職後の協力など、退職時に確認しておきたい事項をまとめた基本的な誓約書です。一般的な退職時誓約書として使いやすい2種類の書式を用意しています。
- シンプル001:誓約事項を中心にまとめた標準的なレイアウト
- シンプル002:日付・住所・氏名欄を上部に配置した、シンプルで記入しやすいレイアウト
どちらも内容は近いため、社内で使いやすい見た目や記入位置に合わせて選べます。競業避止の期間や対象範囲などは、そのまま使わず、従業員の業務内容や会社が保護する必要のある利益に合わせて調整して使用します。
使用例 短期契約社員、パートタイム従業員、一般的な業務を担当していた従業員など
機密保持用
退職後の秘密情報の漏えいや私的利用を防ぐことを目的とした、機密保持に特化した誓約書です。事業計画、財務情報、技術ノウハウ、顧客・取引先情報など、保護したい情報の範囲を具体的に記載できます。
顧客情報や社内資料、技術情報などの機密情報を扱っていた従業員の退職時に向いています。
競業避止用
秘密保持に加えて、退職後の競合企業への就職、競合事業の開始、顧客・取引先への勧誘などについて一定の制限を設けるための誓約書です。
競業避止条項は、期間や対象業務などを広く設定しすぎると有効性が問題になることがあります。従業員の業務内容や会社側の保護すべき利益を踏まえて、合理的な範囲に調整して使用します。
知的財産権用
在職中に関わった発明、著作物、ノウハウ、営業秘密などの知的財産について、退職後の取り扱いを確認するための誓約書です。関連資料・データの返却や、第三者への開示・無断利用をしないことなどを確認できます。
研究・開発、デザイン、システム開発、コンテンツ制作など、知的財産を扱う業務に従事していた従業員の退職時に向いています。
※知的財産権の帰属は権利の種類や契約内容などによって異なるため、テンプレートの文言をそのまま適用せず、実際の契約・社内規程に合わせて調整します。
顧客情報保護用
顧客の個人情報、連絡先、取引履歴、契約内容、購買情報など、在職中に取り扱った顧客情報の保護に特化した誓約書です。顧客リストや関連データの返却・削除、第三者への漏えい防止などを確認できます。
営業職、カスタマーサポート、顧客管理など、顧客情報にアクセスする業務を担当していた従業員の退職時に向いています。
社内情報システム用
社内システムやクラウドサービス、ネットワーク、データベースなどへのアクセスを退職時に終了し、会社データを保持・利用しないことを確認するための誓約書です。
アカウント、パスワード、アクセスカード、セキュリティトークンなどの返却・無効化や、個人端末・クラウド上に保存した会社データの削除についても確認できます。IT・システム関連の権限を持つ従業員の退職時に適しています。
退職後の関係維持用
秘密保持、知的財産、競業避止、貸与物の返却、退職後の協力など、退職後の会社との関係について幅広く確認できる包括的な誓約書です。
管理職や重要な顧客・情報を扱っていた従業員など、複数の事項をまとめて確認したい場合に向いています。競業避止や退職後の行動を制限する条項については、必要以上に広い内容にならないよう調整して使用します。
退職時の誓約書を使う前の豆知識
テンプレートをそのまま使用するのではなく、従業員の業務内容や実際に保護したい情報に合わせて内容を確認しましょう。
「会社の情報すべて」と広くまとめるのではなく、顧客情報・技術情報・営業資料など、本人が在職中に取り扱った秘密情報を確認し、対象が分かるようにしておくことが大切です。
競合企業への転職などを制限する条項は、誓約書に記載すれば必ず有効になるわけではありません。期間・地域・対象となる職種・代償の有無などを踏まえ、合理的な範囲にする必要があります。
紙の資料や貸与物だけでなく、USBメモリ、パソコン、個人端末、クラウドなどに会社の情報が残っていないかも確認します。必要に応じて返却・削除について誓約書に盛り込みます。
退職時の誓約書の書き方・記入例
退職時の誓約書は、会社名や退職者の氏名を記入するだけでなく、秘密保持や貸与物の返却など、実際に確認したい事項に合わせて条項を調整して作成します。
退職時誓約書の記入例
退職時誓約書の書き方
宛名・会社情報を記入する
誓約書の宛先となる会社名と代表者名を記入します。会社の正式名称や代表者の役職・氏名を確認して記載しましょう。
退職者の氏名を記入する
本文中の氏名欄や会社名などを記入します。テンプレート内の「○○」「空欄」などが残っていないか確認してください。
誓約事項を確認・調整する
従業員の業務内容に合わせて、退職後に確認する必要がある事項を選び、条項の内容を調整します。
期間や対象範囲を確認する
競業避止や顧客への勧誘禁止など、退職後の行動を一定期間制限する条項を設ける場合は、期間・対象となる業務・地域などを確認します。
日付・住所・氏名を記入する
内容を確認したうえで、最後に日付、退職者の住所・氏名を記入します。押印欄がある書式では、会社の運用に合わせて押印します。
よくある質問
退職時の誓約書について、秘密保持や競業避止、署名時の注意点など、作成時によくある疑問をまとめました。条項によって扱いが異なるため、テンプレートをそのまま使用せず、実際の業務内容に合わせて確認しましょう。
Q 退職時の誓約書には法的効力がありますか?
誓約書に署名したからといって、すべての条項が必ず有効になるわけではありません。条項の内容や合意の経緯、従業員に課す制限が合理的かどうかなどによって判断されます。
特に競業避止のように退職後の職業選択を制限する条項は、必要以上に広い内容とならないよう注意が必要です。
Q 退職時に新しい誓約書への署名を求める場合の注意点は?
誓約書によって新たな義務や制限を追加する場合は、内容を十分に説明し、本人が理解したうえで確認することが重要です。
労働契約法では、労働契約は労働者と使用者の合意に基づいて締結・変更することを原則とし、使用者は契約内容について労働者の理解を深めるようにするものとされています。
Q 秘密保持義務は退職後も続きますか?
退職後も秘密保持義務が問題となる場合があります。ただし、会社に関するあらゆる情報を一律に秘密とするのではなく、保護する秘密情報を具体的に整理しておくことが重要です。
経済産業省では、退職者向けの秘密保持誓約書を含む「各種契約書等の参考例」も公開しています。
Q 競合他社への転職を禁止できますか?
競合他社への転職を広く一律に禁止できるとは限りません。競業の制限が合理的な範囲を超えて職業選択の自由を不当に拘束する場合、公序良俗に反して無効となることがあります。
期間、地域、対象となる職種、会社側の利益、退職者の不利益、代償措置の有無などを踏まえて範囲を検討します。
Q 競業避止義務は何年間に設定すればいいですか?
「○年間なら必ず有効」という一律の基準はありません。期間は競業避止条項の合理性を判断する要素の一つであり、地域、職種、対象業務、代償の有無などとあわせて判断されます。
そのため、テンプレートの「○年間」を機械的に埋めるのではなく、実際に保護する必要がある期間を検討してください。
Q 会社の資料やデータの返却・削除について記載できますか?
記載できます。紙の資料だけでなく、USBメモリ、パソコン、外部記録媒体、個人端末やクラウド上に保存された会社情報について、返還・消去・廃棄を確認する条項を設ける方法があります。
経済産業省が公開している退職時の秘密保持誓約書の参考例でも、秘密情報を含む資料や媒体の返還・消去・廃棄について記載されています。
Q 顧客情報も秘密保持の対象にできますか?
顧客名簿、連絡先、取引情報など、業務上取り扱っていた顧客情報を対象として具体的に示すことができます。
個人データを取り扱う事業者には安全管理措置や従業者への適切な監督も求められるため、誓約書だけに頼らず、アクセス権限や社内の情報管理ルールとあわせて管理することが重要です。
Q 違反した場合の違約金や損害賠償額を決めておけますか?
「違反したら100万円を支払う」など、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定したりする契約は、労働基準法第16条で禁止されています。
一方で、実際に労働者の責任によって損害が発生した場合の損害賠償請求そのものまで禁止されているわけではありません。固定額の違約金を安易にテンプレートへ追加しないよう注意しましょう。
